ドローの次に目指すパワーフェード
ドローボールは飛距離が出るが左への引っ掛けが怖い球筋
ヘッドスピードがさほど早くないプレイヤーにとって、ドローボールは飛距離を最大化するための武器です。ドローボールは、クラブフェースが閉じながら(いわゆる、捕まえながら)ボールにインパクトするため、ボールの初速度が速くなり、かつ、バックスピン量が抑えられるため、飛んで転がる(ランがでる)ボールとなります。
いいこと尽くめのようですが、ドローボールには最大の欠点があります。それは、タイミングがズレるといわゆるチーピンが出やすくなるということです。特にヘッドスピードが早いプレイヤーは、常に左OBのリスクと戦い続けなければならない球筋となります。
ヘッドスピードが早く、飛ばしと更なるコントロールを追求するプレイヤーにとっては、パワーフェードは理想的な球筋になります。
パワーフェードを打つための準備
パワーフェードを打つためには、まずはドローボールが打てるようになることが必要です。
ゴルフは曲げるボールを打つほうが簡単な競技です。アウトサイドインのカット軌道でスライスになってしまっているプレイヤーは、まずドロー打ちをマスターしてみましょう。
ボールを捕まえられるフェースターンをマスターできるようになって初めて、パワーフェードへの道が開けます。
パワーフェードの実際の打ち方
パワーフェードの実際の打ち方ですが、アドレスとセットアップにヒントがあります。
ジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)のパワーフェード
フェードボールといえば、ニクラスです。1986年のマスターズ、18番ホールでのティーショットからの一コマ。
アドレス時、目標にフェースをあわせたら、足と肩がわずかにターゲットの左を指すようにします。
ここで開きすぎると距離を大幅にロスし、曲がり幅が大きくなります。目標の10ヤードくらい左を指すくらいが限界でしょう。
セットアップで形を作ったら、あとは足と肩のラインに沿ってスイングを行います。この時のスイングは、あくまでも”捕まえる”スイングです。
スイング軌道は、オープンスタンスと肩のラインの開きにより若干だけ外からの軌道が得られます。出玉はセットアップで作った足と肩のラインなりにストレートに出てから、右へわずかに曲がるパワーフェードの完成です。
肩のラインに対して、ボールを真っ直ぐに打ち出していくことがポイントで、左に単に引っ掛けているスライスとはこの部分が大きく異なります。
日本人選手では、藤田寛之選手がパワーフェードを打つことで有名です。
パワーフェードはラインが出易くなるショット
パワーフェードが優れているのは、ランが計算でき、ラインが出易くなるためフェアウェイのキープ率が上がることです。更に、上級者にありがちな叩いて左OBという確率は大幅に下げることができます。
ヘッドスピードが早いドローヒッターで、左が怖いプレイヤーは是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。