右脇が締まった理想のトップスイングをビジェイ・シン(Vijay Singh)のドリルから学ぶ。
上級者のスイングを見ると、トップスイングの形がコンパクトで安定していることに気づかれると思います。反対にトップスイングが大きく形が安定しないスイングは、ショットの方向性も悪く、ミート率が低いスイングとなっていることが大半です。
さらに、トップスイングが大きくなりすぎオーバースイングとなると、シャフトが飛球線と交差してしまうシャフトクロスなどの悪い現象が生じてしまいます。
シャフトクロスになると、折角アドレスから確保しているフェース面の方向が安定しなくなりますので、良いことは1つもありません。
例えば、ドライバーを打つ際にドライバーのヘッドが左目の視界に入るくらいシャフトクロスしてしまう人を良く見かけるかと思いますが、このスイングの持ち主は十中八九、ドライバーショットの方向性、ミートが共に安定せず、苦手としているはずです。
トップスイングの形をコンパクトにしていくことは、ミート率を高めショットを安定させるために不可欠な要素と言えます。
トップスイングが大きくなってしまう原因はいくつかありますが、1つの要素として「右脇の締まりが甘い」というポイントがあります。
ゴルフスイングでは、アドレスからトップスイングに至るまでの間に右ひじを折らないといけませんが、この動きが厄介です。
理想的な右ひじの折れ方は、下半身を安定させながら上半身の捻転させていくことで自動的に右脇が締まりながら右ひじが曲がりトップを迎える形となるのが好ましいのですが、
スイング始動を手先から始めてしまったり、腕の動きでクラブを持ち上げてしまうことで、右脇が空きやすくなります。
つまり、スイング始動時からトップスイング至るまでの間で、腕や手先の動きをいかに殺すかということがポイントとなる訳ですが、ゴルフスイングは「静」から「動」の動きが求められることと、上半身を捻転していきながらクラブとつながっている腕や手先の動きを殺すということが、それほど簡単ではありません。
以下は、ビジェイ・シンのアイアン練習風景ですが、右脇にヘッドカバーを挟んで練習しています。
これは、右脇が締まらずにオーバートップになることを防ぐ目的ですが、インパクト以降もヘッドカバーを落とさずに振りぬくことで、右脇が締まった動きをキープできるよう練習しています。
ビジェイ・シンは2004年に世界ランキング1位となったこともある選手ですが、世界トップのプレイヤーでもこのドリルを行っています。
いかに腕や手先の動きを殺して、トップスイングを迎える動きが難しいのかは推して知るべしですね。
ご自身のスイングでも右脇が空き、オーバースイングとなっていないか定期的に確認してみるのも良いかと思います。
おまけ
(この動画ではビジェイ・シンは、アドレス方向から見てボールの左前方に空き缶?のような目標を置くことで、インサイドアウトのスイングにならないような工夫もしています。)