40ヤードから100ヤードの中途半端な距離を自由自在にコントロールする5つのポイント

40ヤードから100ヤードの中途半端な距離を自由自在にコントロールする5つのポイント

難しいフルショットできない距離のコントロール

ゴルフで最も難しいショットの1つに、フルショットできない距離のコントロールがあります。振り幅を合わせに行くことで緩んでしまったり、反対に力んでしまったりと、ミスショットに直結しやすいため苦手としている方も多いのではないでしょうか。コントロールショットにも色々な種類がありますが、30ヤード程度のチップショットであれば、リストコックをほとんど使わない打ち方で届きます。パターなどを使った転がしも有効な選択肢です。(男性を例にしています。女性の場合には10ヤード程度落として読み替えてください。)

これが40ヤードを超えてくると、リストコックを使わないと届かなくなります。勿論、30ヤード以内を基準にスイングを作ることは間違っていません。小さなスイングから大きなスイングを作っていくことは、大変有力なスイング作りの方法です。しかし、30ヤードショットの完全な延長で40ヤード以上の距離をコントロールしようとすれば無理が生じます。言い換えれば、こと距離感のコントロールというテーマにおいては、リストコックを使うか使わないかではチェックポイントが別物です。このことが30ヤードとはまた別の難しさにつながっていると言って良いでしょう。40ヤードから100ヤードの距離をコントロールできるようになれば、攻め方の幅が広がり、スコアアップにも直結するため、是非マスターしたいテクニックですね。

今回は、40ヤードから100ヤードの距離を打ち分けるための5つのポイントについてご紹介します。

①.ボールの位置

まず、ボールを体の中心ライン上(センター)にセットアップした場合です。これが基本のセットアップとなります。センターから右寄りにセットアップすると、打ち出しは右方向、出玉は低くなり、ボールにはフック回転がかかります。センターから左寄りにセットアップした場合には、打ち出しは左方向、出玉は高くなり、ボールにはスライス回転がかかります。

ボールの位置だけを変えて同じスイングを行うと、1.センターより右にセットアップした場合には、低い出玉で短いキャリーとなり、ランが出やすくなります。2.センターから左にセットアップした場合には、高い出玉で長めのキャリーとなり、ランが少なくなります。この特性を理解しておくと、ボールの落としどころからどの位ランが欲しいのか計算しやすくなります。注意点はセンターから左寄りにセットアップしている状況です。ボールには最下点より前にインパクトしないとダフリやトップのミスショットを誘発しますが、ボールを左側に置くということは、それだけミスの許容量が小さくなりミスショットの可能性が高くなります。左に寄せてもスイングの最下点ギリギリくらいまでが望ましいでしょう。

②.スタンス幅

スタンス幅を狭くすると振り幅と体重移動が制限され、スイングが自動的にコンパクトになります。スタンス幅は、身長などの体型によって個人差がありますが、短い距離を打つ場合には一般的にスタンス幅を狭くします。ポイントは、狭くしたスタンス幅の中で体重移動をコントロールすることです。上級者の中には、コントロールショットを打つ場合にあえてスタンス幅を取らず、両足をピッタリくっつけた状態でセットアップすることがあります。これは両足を閉じることで自然に振り幅を制限できる優秀な手段です。

以下はルーク・ドナルドのピッチショットです。狭いスタンス幅の中で体重移動をコントロールすることで、自然と振り幅がコンパクトに収まっているのが分かるかと思います。

③.グリップ

グリップを短く持つことで距離を落とすことができます。個人差がありますが、グリップを5cm程度短く持って5ヤード程度落ちるイメージでしょうか。グリップを短く持った場合、どの程度距離が落ちるのか知っておくと応用が利きます。留意点はグリップを短く持つことで、色々とフィーリングが変わることです。グリップの細い部分を握ることによる違和感や、ヘッドとの距離が短くなることによる重さの違い、前傾角度の違いなどがあります。

④.フェースの向き

コントロールショットで想像していた距離よりも飛んでしまうと感じる場合には、フェースが返っていないか確認します。フェースが返り閉じる動きでインパクトすると、強く低い出玉で距離がでます。反対にフェース返さないようにインパクトすると、やわらかい高く出玉で、距離がでないふわっとした球筋となります。フェースの開閉の違いで距離は大きく変わってきます。40ヤードから100ヤードのコントロールショットでは、ショットに入る前にフェースを返すのか、返さないのかを最初にしっかりイメージしておくことが大切です。

以下はマテオ・マナセロのピッチショットです。少し見にくいですがスタンスは狭く、グリップを短めに握り、フェースを返さないショットで距離をコントロールしています。

⑤.スイングのスピード

スイングの振り幅を時計の針になぞらえて、4時から8時の幅や、3時から9時の幅で振りましょうという説明を良く見かけます。ただ、コントロールショットを振り幅で考えてしまうと、途中で緩みや力みが入りやすくなります。(この感覚が合っている方はそのままで良いと思います。)オススメは、あまり振り幅は考えずに、1.通常のスイングと、2.少しだけテンポを落とし、ゆったり振るスイングの2種類を持っておくことです。

実際の距離感のつかみ方

コントロールショットで最も避けたいのは緩みと力みです。上半身の力感やクラブの振り幅でコントロールしようとすると、ミスショットとも隣り合わせとなり安定しません。
距離はスイングの振り幅で調整するのではなく、セットアップの段階であらかじめ作ってしまうことが一番簡単な方法です。

クラブはAWでもSWでも良いですが、まずはご自身が違和感のない普通のセットアップとスイングでの距離を知っておくことが基本となります。
例えば、クラブはSW、①ボール位置はセンター、②スタンス幅はやや狭く、③グリップは普通に握り、④フェースは返して、⑤通常のスイングスピードで振るショットをした場合、キャリーで70ヤード、ランで5ヤード飛ぶとします。この距離が(キャリー70ヤード、ラン5ヤード)貴方の基準です。この組み合わせで75ヤード飛ぶのであれば、距離を落とすのであれば引き算、距離を増やすのであればよりロフトの無いクラブ(AWなど)へ変えます。

引き算は単純で、スタンス幅をさらに狭くしてみたり、グリップを短く握ったり、フェースを返さないでショットしたり、少しだけテンポを落としゆったり振るスイングのいずれか、または組み合わせを試します。キャリー少しを落として足を使いたければボール位置をやや右へ、ボールをピッタリ止めたければボール位置をやや左へセットアップします。それぞれどの程度距離が落ちるのかは個人差があるので、練習してみてください。距離を大きく引けるのは、②スタンス幅をより狭く、もしくは両足をつけてしまう、④フェースを返さないでインパクトする、⑤スイングテンポをゆったり目にする。です。

大切なことは最初にスイングを完全にイメージしきってしまうことです。特にフェースを開いて打つのか閉じるのか、普通に振るのかゆったり目に振るのかは、アドレスに入る前にしっかりイメージしておきましょう。クラブの振り幅は、スタンス幅を狭く調整することで自動的に小さくなっていますので考えません。イメージとセットアップさえ決めてしまえば、後はそのまま気持ち良く振るだけです。お試しください。

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マテオ・マナセロ(Matteo Manassero)のドライバー、アイアン各種ショット

マテオ・マナセロ(Matteo Manassero)のドライバー、アイアン各種ショット

ヨーロッパツアー最年少優勝記録を持つマテオ・マナセロのショット。

マテオ・マナセロはアマチュア時代の2009年、16歳で全英アマを制し同大会における史上最年少記録を更新した。
この時の記録は、1885年から続く全英アマ124年の歴史を塗り替えた快挙でもあった。
また、マテオ・マナセロは、「マスターズ」史上最年少出場の記録保持者(2010年)でもある。

若干19歳(2013年2月現在)ながら、ヨーロッパツアー3勝の実績を保持するに至っており、次代を担う期待の若手。

マテオ・マナセロのドライバーショット 後方スロー
切り返し後に沈み込む特徴のあるスイング。

マテオ・マナセロのドライバーショット 前方スロー

マテオ・マナセロのアイアンショット 正面スロー

マテオ・マナセロのアイアンショット 後方スロー

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